2008/09/11/ Thu 23:04
![]() | ぼくは落ち着きがない 長嶋有 光文社 2008-06-20 by G-Tools |
標題紙の前ページに、この小説の舞台になる図書室の見取り図が描かれていて、それがとても魅力的です。図書室をベニヤで隔てただけの部室は書庫を兼ねているのだけど、冷蔵庫やコンロがあって、昼休みや放課後はなんとなく集まって、コーヒーを入れたり、携帯をいじったり、それこそ本を読んだりして。私の高校にもこんな図書室と図書部があったら、入部してたかもしれないなぁ。などと思いながら読みすすめていったのだけど、本当に高校時代にタイムスリップしたようで一気に読み進んでしまいました。
学校は楽しくて、部室にいると落ち着く。でも、ふとした時に「人って、生きにくいものだ」と思う。主人公の望美の日々は、私の高校時代でもあるようにすっと心に入り込んできて不思議。私はバリバリの体育会系で、図書部のような環境とは全く違ったのに。たぶん、誰もが感じる友達や学校や自分自身との間の、居心地の良さと悪さの描き方がとても上手いんだと思います。
それから、この本は図書室というものの細かな設定やディテールもとても玄人な書き方をされてて、図書館好きとしてはその辺もくすぐられます。特に図書館についての一節、「たとえそれが少数でも、どこかの誰かが読みたいと願うあらゆる本を、長く保存して読者に託す場所なのだ。」にはグッときてしまいました。そうだよなぁ。
長嶋有って初めて読んだのだけど、こんなに面白いとは思ってませんでした。
読まず嫌いはいかんと反省です。







![本を読む兄、読まぬ兄 [吉野朔実劇場]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/11qBlQ-GsFL.jpg)
